日本ではほどんど知られていない中国の臓器移植医療の経緯について、『臓器移植濫用の経緯 – China Organ Harvest Research Cente』、福島香織氏著『ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在』など諸資料に記載されている内容をもとに年表を作りました。
当ブログ記事『日本から中国へつないだ“命のバトン”』で知るテレビのフェイク報道‼や、その他関連記事を読まれるときの、ご参考にしていただければ幸いです。
西暦 | 中国の臓器移植医療経緯 |
1960年代 | ・中国初の臓器移植が行われる。 ・1962年:中国共産党中央軍事委員会「死刑囚および重犯罪者全ては、国家および社会主義の発展の需要に応じて取り扱うことができ、《革命の付随書》に準じて対処できる」と文書化。 |
1970年代 | ・1972年:初の家族間生体腎臓移植に成功。 ・1978年10月:良心の囚人から臓器を摘出した初の事例 |
1984年 | ・《死刑囚遺体・臓器を利用するための暫定的規定》が施行。 ⇒死刑囚(身元引受人がいない、あるいは家族および本人が反対しない場合)の臓器を医学の進歩のために利用してよいということになった。 |
2000年 | 移植件数、移植センターが累増し始める。 |
2002 ~03年 |
中国家庭教会(政府の認可を受けていないキリスト教信者たち)とチベット人に初めて「臓器のみ」の身体検査が行われたと報告。 |
2005年 | 黄潔夫副衛生部長(移植医療の最高権威)「移植臓器のほとんどが死刑囚のものである」と初めて認める。 |
2006年 | ・報告書『血まみれの臓器狩り』法輪功学習者への強制的且つ大規模な臓器摘出が行われていると結論 |
2007年 | ・デービッド・キルガー/デービッド・マタスの調査報告書『戦慄の臓器狩り』で「法輪功学習者からの大規模な臓器収奪は今日、なお継続されていると確信する。」と結論。 ・《人体器官移植条例》(臓器の売買は禁止し、無償であり、かつドナー本人の意思が明確であること、生体肝移植は配偶者、3親等内の血縁関係があること、外国人に臓器を提供しないことなどが決められた)が施行される。 ・中華医学会「死刑囚の臓器提供は親族がレシピエントでないかぎり原則禁止する」との声明。 ・死刑囚臓器の地方司法当局の利権化を防止を目的とした、最高人民法院の審査を得ずして地方裁判所が勝手に死刑判決を出すことができないように司法改革。 ・7月1日以降、許可証のない病院は臓器移植は継続が許されなくなる。 ・黄潔夫「臓器は処刑された囚人のものである」と宣言し続ける。 |
2009年 | ・亡命ウイグル人「1995年に処刑場で生存中の死刑囚から臓器を摘出した」と証言。 |
2010年 | ・臓器移植産業を促進させる《自主的臓器提供プログラム》を試験的に開始、19の省と都市に導入。 |
2013年 | ・《中国人体臓器分配・共有システム》の利用が義務付けられる。 ・黄潔夫が2014年6月までに169の認定移植病院のうち38件が「死刑囚からの臓器の使用を停止する」という《杭州決議案》に署名。 |
2014年 | ・黄潔夫「2015年1月から処刑された囚人からの臓器使用を禁ずる」と発表。 ・黄潔夫「死刑囚からの自発的な臓器提供を国家の臓器提供制度に組み込むことで、この問題の規制をはかる。統括されたこの分配システムに登録されたものは、市民の自主的な臓器提供とみなされる。死刑囚からの臓器提供は存在しない」と発言。 |
2015年 | ・中国は死刑囚からの臓器使用を停止したと発表。 |
2016年 | ・報告書『中国臓器狩り/虐殺』「移植件数は中国の公式発表より遥かに大きい」と結論 |
2017年 | ・郭燕紅中国国家衛生健康委員会医政医管局・副局長「中国の臓器提供、移植手術件数は世界2位となった」、「臓器提供のうちの86%は自主提供により、残りの14%は親族間の生体移植」と発表。 |
2022年 | ・黄潔夫「2023年までに世界一の臓器移植大国になる」、「人体臓器移植条例の改訂・改善を積極的に進める」と発表。 |
*参考資料:「臓器移植濫用の経緯 – China Organ Harvest Research Cente」、福島香織氏著『ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在』など |
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